卒業要件の確認方法(25年夏)
慶應通信の卒業要件はよく理解しないと卒業が遠のきます。 事務局が個別のチェックをしてくれなくなった、との情報もあるため、確認方法を共有します。 簡易に充足状況を確認するチェックシートもご活用ください。
概要
- 塾生ガイドを読み、卒業への流れを理解する
- kcc-channel で履修状況/計画を確認し、仕訳を行う
- 卒業要件の充足状況を確認する
- 不足分の履修計画を立てる
- 卒業要件チェックシート を活用ください
仕組みの理解
まず塾生ガイド25 1章「卒業の要件」(pp.18-24) を読みましょう。 科目区分として総合教育科目(総合)、専門教育科目(専門)の2つがあり、 授業形態として通信授業(テキスト)/面接授業(スクーリング)/メディア授業(Eスク)の3つがあります。 それに加えて卒業論文(卒論)の単位が必要です。 ご自身の学部と入学課程(普通/特別/学士)の部分を確認しましょう。
基本的には、総合で48単位以上、専門で68単位以上、卒論で8単位の総単位数124以上が卒業要件です。 また、スクーリング所要単位(Eスク含む)として普通課程30単位、特別課程22単位、学士入学15単位が必要です。 さらに科目区分と授業形態との組み合わせもあり、以下の要件を充足する必要があります。 学部および入学課程によって詳細の単位数が異なります。
- 総単位
- 総単位数
- スクーリング単位数
- 総合科目
- 総合科目計
- 3分野計
- 3分野(テキスト)
- 3分野科目個別
- 人文科学
- 社会科学
- 自然科学
- 統計学(テキスト)
- 必修外国語
- 専門科目
- 専門科目計
- 専門(テキスト)
- 専門必修
- 専門選択必修
- 卒業論文
- 卒業論文計
表で整理するとこのようになります。
大区分 | 小区分 | 計 | テキスト | スクーリング |
---|---|---|---|---|
総単位 | 124↑ | 普通30↑ 特別22↑ 学士15↑ | ||
総合 | 合計 | 48↑ | ||
3分野 | 32↑ | 24↑ | ||
必修外国語 | 8 | |||
選択外国語 | ||||
保健体育 | ||||
専門 | 合計 | 68↑ | 40↑ | |
必修 | 文学部28↑ 経済学部17 法学部10 | |||
選択必修 | 法学部20↑ | |||
選択 | ||||
卒業論文 | 8 |
以下に詳細をコメントします。
総合教育科目(総合)
総合教育科目は、3分野科目、必修外国語科目、選択外国語科目、保健体育科目の4つに分かれます。 基本的には、総合教育科目合計で48単位以上、 そのうち3分野科目で32単位以上、必修外国語科目で8単位が必要となり、 選択外国語科目と保健体育科目は3分野科目を多めに取れば必ずしも必要ではありません。
入学課程と学部で要件が少し異なりますので以下詳細に見ていきます。
3分野科目
3分野科目は、人文科学分野、社会科学分野、自然科学分野の3つがあります。 基本的には(認定単位含めて)合計32単位以上が必要です。 詳細な卒業要件は以下の通りです。
- 普通課程
- テキストで24単位以上
- 各分野2科目以上かつ6単位以上
- スクーリング(Eスク含む)で12単位まで(実験スクの単位はこの上限には含まれない)
- 特別課程 (テキストで18単位が認定済)
- テキストで6単位以上
- 各分野1科目以上かつ4単位以上
- スクーリング(Eスク含む)で12単位まで(実験スクの単位はこの上限には含まれない)
- 学士入学 (テキストで40単位または36単位が認定済)
- 認定単位で充足済(経済学部の特例を除く)
- 経済学部の特例
- 自然科学分野「統計学」が必修科目
主要な注意点は以下の通りです。
- 卒業要件の科目数は、複数の「領域」がまとめられて1科目とカウントされる場合がある。
- 特に普通課程の「各分野2科目以上かつ6単位以上」の要件をカウントするときは注意が必要。
- 「歴史」はまとめて1科目。「歴史(日本史)」、「歴史(東洋史)」、「歴史(西洋史)」の領域をもつ。
- 「芸術」はまとめて1科目。「芸術(音楽)」、「芸術(美術)」の領域をもつ。
- 「数学」はまとめて1科目。「数学(基礎)」、「数学(微分・積分)」、「数学(線型数学)」の領域をもつ。
- 「心理学」はまとめて1科目。「心理学(知覚・認知)」、「心理学(行動・個性)」の領域をもつ。
- 「物理学」はまとめて1科目。「物理学」、「物理学実験A」、「物理学実験B」の領域をもつ。
- 「化学」はまとめて1科目。「化学」、「化学実験A」、「化学実験B」の領域をもつ。
- 「生物学」はまとめて1科目。「生物学」、「生物学実験A」、「生物学実験B」の領域をもつ。
- 実験スクーリング(ABともに)とセットで履修しないと卒業要件にカウントされない科目がある。
- 「物理学」1科目6単位は、「物理学」、「物理学実験A」、「物理学実験B」全てを履修しないと卒業要件にカウントされない。
- 「化学」1科目6単位は、「化学」、「化学実験A」、「化学実験B」全てを履修しないと卒業要件にカウントされない。
- 「生物学」1科目6単位は、「生物学」、「生物学実験A」、「生物学実験B」全てを履修しないと卒業要件にカウントされない。
必修外国語科目
必修外国語科目は、英語、ドイツ語、フランス語の3つがあります。 普通課程の方は、入学後に必修外国語をどれにするか選択できますが、 特別課程、学士入学の場合、入学時に必修外国語を申請しています(入学後の変更は不能です)。 基本的には合計8単位が必要です。 卒業要件を簡単に整理すると以下の通りです。(科目でも組み合わせあり、詳細塾生ガイド25 pp.31-34)
- 普通課程、特別課程
- 英語選択の場合、以下のいずれかを満たすこと
- テキスト6単位+スクーリング2単位
- テキスト4単位+スクーリング2単位+Eスク2単位
- ドイツ語、フランス語選択の場合、以下のいずれかを満たすこと
- スクーリング/Eスク単位数はグレードの異なる科目で充足すること(上級を除く)
- テキスト6単位(第1部、第2部、第3部)+スクーリング2単位(中級以上)
- テキスト6単位(第2部、第3部、第4部)+スクーリング2単位(指定なし)
- テキスト4単位(第2部以上)+スクーリング3単位(初級後期以上)+Eスク1単位
- テキスト4単位(第2部以上)+スクーリング2単位(中級以上)+Eスク2単位
- テキスト4単位(第3部以上)+スクーリング3単位(指定なし)+Eスク1単位
- テキスト4単位(第3部以上)+スクーリング2単位(指定なし)+Eスク2単位
- 英語選択の場合、以下のいずれかを満たすこと
- 学士入学
- 英語選択の場合、以下のいずれかを満たすこと
- テキスト6単位+Eスク2単位
- テキスト6単位+スクーリング1単位+Eスク1単位
- ドイツ語、フランス語選択の場合、以下のいずれかを満たすこと
- スクーリング/Eスク単位数はグレードの異なる科目で充足すること(上級を除く)
- テキスト6単位(第2部、第3部、第4部)+Eスク2単位
- テキスト6単位(第2部、第3部、第4部)+スクーリング1単位(指定なし)+Eスク1単位
- 英語選択の場合、以下のいずれかを満たすこと
主要な注意点は以下の通りです。
- 普通課程、特別課程では必修外国語のスクーリング2単位(仏独語ではそれ以上も可能)が必要
- 学士入学ではスクーリングの代わりにEスクを選択できる組み合わせが許可される
- 英語の場合
- スクーリングを履修するには、テキスト科目2単位以上を修得してから(例外:学士入学で英語の仮認定があれば履修可能)
- ドイツ語、フランス語選択の場合
- テキスト第3部は必ず卒業要件に含めなくてはならない
- テキスト第1部を卒業要件に含める場合、スクーリングで中級以上の2単位が必要
- スクーリング初級前期を卒業要件に含める場合、テキスト第1部が卒業要件に含まれる組み合わせはない
選択外国語科目
選択外国語科目は、 必修外国語として選択した以外の科目(英語、ドイツ語、フランス語)と、 スクーリングのみで開講される科目(中国語、ロシア語、朝鮮語、スペイン語等)があり、 卒業要件として必修ではありません (第二外国語ではなく、選択外国語という名前なのは必修ではないからだと思います)。 卒業所要単位に参入される基準は以下の通りです。
- 普通課程、特別課程
- 1つの外国語に対して2単位まで、合計2か国語4単位までが総合教育科目の卒業所要単位として認められます。
- 学士入学
- 認定単位で充足済
- スクーリング所要単位として認める場合がある(塾生ガイド25 p.34)
保健体育科目
保健体育科目は、保健体育講義と体育スクーリングの2つがあり、必修ではありません。 卒業所要単位に参入される基準は以下の通りです。
- 普通課程、特別課程
- 4単位まで総合教育科目の卒業所要単位として認められます。
- 学士入学
- 認定単位で充足済
- 自由科目として履修可能だが、スクーリング所要単位としては認められない(塾生ガイド25 p.42)
専門教育科目(専門)
専門教育科目で68単位以上、そのうちテキスト科目で40単位が必要です。 専門教育科目は、学部にもよりますが、必修科目、選択必修、選択科目の3つに分かれます。
- 文学部
- 所属する類の科目から28単位以上(テキスト/スクーリング)を必修科目とする
- 経済学部
- 7科目17単位(テキストのみ)を必修科目とする
- 法学部
- 甲類は3科目10単位、乙類は2科目10単位(テキストのみ)を必修科目とする
- 甲類、乙類にそれぞれ指定された科目群から20単位(テキストのみ)を選択必修科目とする
通信授業(テキスト)
通信授業(テキスト)という授業形態で、 総合教育科目のうち3分野科目24単位以上、 専門教育科目40単位以上が 卒業要件として必要です。 そのうち3分野テキスト科目は、特別課程18単位、学士入学40単位 (経済学部の場合36単位の場合もある)が入学時に認定されています。 また、必修外国語はテキストで6単位(または4単位)が必要です。
卒業論文を除いた116単位のうち、テキストで約70単位(24+40+6)以上が必要という状況で、 残り46単位のうちスクーリング所要単位(普通30,特別22,学士15)を除いた部分が、 「テキストで取ってもいいし、スクーリングで取ってもいい」という単位数になります。
具体的に表にすると以下のようになります。
科目 | 詳細 | 普通 | 特別 | 学士 |
---|---|---|---|---|
テキスト | 3分野科目 | 24 | 24(18) | 40(40) |
テキスト | 必修外国語 | 6 | 6 | 6 |
テキスト | 専門科目 | 40 | 40 | 40 |
スクーリング | 合計 | 30 | 22 | 15 |
スクーリング | (必修外国語) | 2 | 2 | 2 |
任意の形態 | 16 | 24 | 15 | |
卒業論文 | 8 | 8 | 8 | |
総単位数 | 124 | 124 | 124 |
面接授業(スクーリング)
スクーリング所要単位数は普通課程30単位,特別課程22単位,学士入学15単位です。 スクーリングは面接授業とメディア授業(Eスク)に分かれます。 2025年度現在で面接授業は、 キャンパス(三田または日吉)で対面で行われる夏期、週末、夜間スクーリングと、 Zoomで行われるリアルタイムオンラインスクーリングがあります。 一方で、メディア授業(Eスク)は動画配信型の授業であり、 (法令に準拠して)総合科目と専門科目合わせて10単位までしか卒業要件として参入されません。 (なお、卒業要件として参入されるのは、履修した時期が早い方から取られていくという情報を聞いたことがありますが、未確認です。)
卒業論文(卒論)
卒業論文および卒業試験で授与される単位数は8単位です。
履修状況/計画の確認、仕訳
次に kcc-channel で履修状況を見ましょう。修得した単位が確認できます。 単位がどの卒業要件になるか、仕訳をします。
科目区分は総合科目、専門科目に分かれます。 総合科目は3分野科目(人文/社会/科学),外国語(必修/選択),保体のいずれか、 専門科目は必修(,法学部の場合は選択必修),選択のいずれかになります。
授業形態はテキスト、スクーリング、メディア授業(Eスク)のいずれかになり、 メディア授業は(先着の)10単位を上限にして以降はカウントしないようにします。
このようにして仕分けをした区分と形態の表を作ります。 例えばこのような表になります。
分類 | テキスト | スクーリング | メディア(Eスク) |
---|---|---|---|
人文科学 | - | - | - |
社会科学 | - | - | - |
自然科学 | - | - | - |
必修外国語 | - | - | - |
選択外国語 | - | - | - |
保健体育 | - | - | |
専門必修 | - | - | - |
専門選択必修 | - | - | - |
専門選択 | - | - | - |
卒業論文 | - |
卒業要件比較
以下15の条件判定を満たすと卒業できます。 学部,入学課程によって単位数が異なります。 仕分けした結果と比較してみましょう。
- 1-1.総単位数
- 1-2.スクーリング単位数
- 2-1.総合科目計
- 2-2.3分野科目計
- 2-3.3分野科目テキスト
- 2-4-1.3分野科目個別(人文)
- 2-4-2.3分野科目個別(社会)
- 2-4-3.3分野科目個別(科学)
- 2-4-3-1.統計学テキスト
- 2-5.必修外国語
- 3-1.専門科目計
- 3-2.専門テキスト
- 3-3.専門必修
- 3-4.専門選択必修
- 4.卒論
不足分の履修計画立て
科目試験の群被りに気をつけながら、不足分を計画しましょう。 以下のような表が便利です。
テキスト科目とEスクを修得するための科目試験は年に4回、6つの群に分かれて実施されます。 また、スクーリングは夏期に3期(午前/午後)、 秋期に夜間(月〜金、約3ヶ月毎週)と週末(土日を使って約1ヶ月集中)があります。
A | B | C | D | E | F | |
---|---|---|---|---|---|---|
2x-1 | - | - | - | - | - | - |
2x-2 | - | - | - | - | - | - |
2x-3 | - | - | - | - | - | - |
2x-4 | - | - | - | - | - | - |
夏S | - | - | - | - | - | - |
他S | - | - | - | - | - | - |
2x-1 | - | - | - | - | - | - |
卒業要件チェックシート
以上に説明したように、慶應通信の卒業要件は複雑です。 卒業要件を満たしているか、判定するための簡易ツールを実装しています。 ぜひご活用ください。